- Date2012-08-20
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国立中央博物館・常設展示館3階
「アジア館・インド東南アジア室および日本室」の展示交替
国立中央博物館(館長・金英那<キム・ヨンナ>)は夏休みを迎え、7月31日、アジア館・インド東南アジア室と日本室において「ムガール帝国姫の肖像」など16件17点を新しく交替・展示した。
まず、インド東南アジア室はインド絵画5点を交替して展示している。そのうち16~18世紀にムガール帝国とデカン地方で制作された細密画4点は、国立中央博物館が2011年に購入して以来はじめて公開するものである。「ムガール帝国姫の肖像」、「皇帝ファルーク・シヤールの肖像」などは、背景は省略され、人物のみが描かれているが、宝石と服の質感は精密に表現している典型的なムガール帝国の肖像画である。これらの作品がコレクションに加わることにより、インドの細密画の発展史において重要な画派の細密画を、よりバランス良く展示することができる。「ピツバイ 」は従来展示されてきた「ピツバイ」と同様のテーマで描かれた儀礼用の掛け軸であり、そこからはラジャスタン地域で行われるヒンズー教の儀礼とその地域の絵画における美意識を知ることができる。4点の細密画とともに、16~18世紀におけるインド絵画のテーマと地域の多様性を比較しながら観覧することができる。
日本室では13世紀末の中世仏画から20世紀はじめの近代日本画に至るまで、様々な時代の絵画作品の展示替えを行った。 現在、日本室の主な展示物 は旧・李王家美術館所蔵の近代日本美術コレクションであるが、今回の展示替えにて、その中でも美人画の大家、三木翠山(1887~1957)の「月」と、新版画運動に参加していた日本画家の山村耕花(1886~1942)の「燕子花」が新しく展示された。真夏の夜、月を眺めている女性を描いた涼しい光景と、カキツバタの茎に止まったカワセミの華やかな色合いから夏の情趣が感じられる。その他にも鎌倉時代の13世紀末に制作された十二天図の中、梵天と地天を新しく展示し、江戸時代の作品では土佐光起(1617~1691)作の「源氏物語画帳」や歌川広重(1797~1858)の版画「東海道五拾三次」などの場面替えを行い、日本室の雰囲気を一新している。
「ムガール帝国姫の肖像」
ムガール王朝、1650-1675年頃、紙に不透明水彩、金
「月」
三木翠山、1937年作、絹に彩色、近代202
「 燕子花 」
山村耕花、1940年購入、紙に彩色、近代122
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