- Date2012-08-09
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国立中央博物館・常設展示館「朝鮮室」交替展示
安中植の「白岳春暁」夏本と秋本を同時展示
携帯用仰釜日晷(宝物第825号)など、26件57点を交替展示
国立中央博物館(館長・金英那<キム・ヨンナ>)は夏休みシーズンを迎え、7月31日、常設展示館・朝鮮4、5室に朝鮮後期の展示品26件57点を新しく展示する。
近代絵画コーナーでは安中植(アン・チュンシク)の「白岳春暁」夏本と秋本が同時公開されるので、並べて両作品を鑑賞することができる。同時公開はこれは初の試みである。両作品は今年登録文化財第485号に指定されているので、今回の同時展示はその意味が大きい。また、携帯用日時計の仰釜日晷(宝物第852号)など、「中人」階級(朝鮮時代の中間階級であり、技術職、事務職に就くことが多かった)関連遺物と「外奎章閣儀軌」が展示される。
今回の展示品の中で最も注目に値するのは、「正祖大王華城陵行班次図」である。この作品は中央博物館収蔵品の華城陵行のメインの場面が描かれた8曲の屏風とはまた違う意味がある。これは「園幸乙卯整理儀軌」に関連した班次図であり、行列の場面を長い画面に収めたものである。そして2009年に公開され、学界が注目した「正祖御札」も展示される。一般の人にも理解しやすくするために翻訳文も添えられているので、正祖(チョンジョ)の考え方の一端を知ることができる。正祖の父である思悼世子(サド・セジャ)の墓地名と翻訳文もいっしょに紹介し、思悼世子を死に至らした父、英祖(ヨンジョ)の気持ちを知るきっかけとなる。
とくに、今回は朝鮮後期の中人階級と関連したテーマで展示している。近年の人気職業である医者、法律家、会計士、天文学者などはすべて朝鮮時代には中人階級だった。鍼灸関連書籍、鍼、風水家用羅針盤、仰釜日晷、輪図、外国語の教材である『捷解新語』(日本語)と『朴通事新釈諺解』(中国語)などの展示品から朝鮮後期の中人階級の一端を知ることができる。また、雪に覆われた山に梅の花が咲き乱れた風景が描かれた田畸の「梅花草屋図」からは、中人階級の独特な文化を理解し、同時に涼しい景色を見て夏の暑さを忘れることもできるであろう。
「外奎章閣儀軌」も新しく展示される。昨年、フランスから145年ぶりに故国に返された外奎章閣儀軌は特別展を通じてその一部が公開され、現在光州、大邱などで巡回展が開催されている。それとは別に、中央博物館では外奎章閣儀軌・常設展示コーナーが設けられ、昨年の10月から3カ月に一度、4店ずつ交替しており、今回で4回目となる。今回展示されるものの中には「思悼世子殯宮魂宮図鑑儀軌」があるが、思悼世子の死後、太子の殯宮(出棺まで太子の棺おけが安置された場所)と魂宮(葬儀の後、墓所を作る前まで位牌を安置した場所) の設置と運営について記された本である。この儀軌を通じ、思悼世子の葬儀を急いで終わらせようとした当時の様子が分かるので興味深い。
その他にも「平北義州郡図」と都城周辺の伐採を禁ずる「四山禁標図」など、興味深いテーマの展示品が多い。
1. 白岳春暁-夏本(登録文化財第485号)
2. 白岳春暁-秋本(登録文化財第485号)
3. 華城陵行班次図
4. 携帯用仰釜日晷(宝物第852号)
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