“長興庫”銘粉青沙器印花文鉢
  • 年代

    朝鮮

  • 材料

    陶磁器 - 粉青

  • 寸法

    高6.8、口径13.2

  • 番号

    徳寿 819

温和な印象を与える黄白色粉装土と端整な形態、そしてすっきりとした文様が加えられ、洗練された調和をなす作品で、印花粉青沙器の全盛期である15世紀中葉に製作されたものである。全面に鋸歯文の小さくかわいらしい菊花文が丁寧に装飾されている。内底を見ると、宮中の官庁で物品の補給を担当する官司であった“長興庫”の名が彫られている。このように印を捺して文様を入れる印花技法が本格的に導入された背景には、高麗末以来継続した象嵌青磁が次第に質が落ちるのを改善しようとした当時の匠の心意気と国家のねばり強い努力があったものと思われる。印花技法は文様を彫る面積が広くなるほど、器の表面が白く整理され、陶工によってまちまちだった文様が印を使用することによって一定の水準の規格化と品質を保つことができるのが長所である。