重要
青銅兜
  • 年代

    ギリシャ

  • 材料

    金屬 - 銅合金製

  • 寸法

    高さ 23.0cm

  • 指定文化財

    904

  • 番号

    新收 11349

古代ギリシャ・オリンピアの祭典競技での勝利を祈り、神への感謝の意味を込めて奉納するためにギリシャのコリントで制作され、1875年、ゼウス神殿から出土した。顔にかぶると目と口の他はすべて隠れる独特な形をしている。

この兜は1936年第11回ベルリンオリンピックのマラソンの金メダリスト、孫基禎(1912-2002)が「この兜は私のものではなく、わが民族のもの」という言葉で寄贈したものである。当時、韓国は日本の植民地支配下にあったので、日本国籍、日本の名前で出場するしかなかった。しかし、メダル獲得後、彼はインタビューで自らを韓国人だと自己紹介し、韓国の名前だけで署名した。彼の金メダル獲得は、植民地支配下の韓国人にとって大きな希望となった。

当時、マラソンの優勝者に副賞として与えられるはずだったこの兜は、彼に渡されることなくベルリンのシャルロテンブルク美術館に保管されていたが、1986年、ベルリンオリンピック50周年を記念し、ようやく返還された。西欧の遺物としては唯一、宝物(904)に指定された。

 

*孫基禎寄贈