重要
櫛目文土器
- 年代
新石器
-
出土地点
江東区
-
材料
土製 - 軟質
-
寸法
高さ38.1cm、口縁部直径26.6cm
-
番号
新收 22891
土器は人類が土と火を利用して作ったはじめての発明品である。土器が製作される以前は木、蘆、動物の皮などで器が作られ、食料の保管や運搬などの用途に使われた。しかし、土器が登場すると、保管だけでなく、調理が可能となり、食べられる食材の種類も拡大した。
韓国最古の土器は、紀元前6千年頃に製作された「隆起線文土器」であり、その後の紀元前5千年頃、「櫛目文土器」が中西部地域で作られ、瞬く間に韓半島全土に広まった。
この櫛目文土器はソウル市岩寺洞(アムサドン)の住居跡から出土したものである。発掘当時は割れて多数の破片になっていたものを、一つ一つ繋ぎ合わせて復元した。形はシンプルなV字型であり、口縁部、器腹部、底部の三つに分けられた外側には、点と線の幾何学的文様で装飾が施されている。このような文様は、自然の中で生活していた新石器時代の人々の世界観が抽象的に表されたものと考えられる。器の形や文様の構成は非常に独特で世界に類を見ない。韓半島全土から発見されているため、わが国の新石器文化は「櫛目文土器文化」とも呼ばれている。
このように地域性の強かった櫛目文土器文化は、紀元前1,000年頃、農耕文化に基盤を持つ青銅器時代の無文土器文化に吸収・同化された。