重要
騎馬人物形土器
- 年代
新羅
-
出土地点
慶州市
-
材料
土製 - 硬質
-
寸法
高さ24.0cm、長さ29.5cm (主人像) 高さ21.0cm、長さ26.3cm (侍従像)
-
指定文化財
91
-
番号
本館 9705
この二つの土器は慶州・金鈴塚(クムリョンチョン)から出土したものであり、人物の描写から当時の服装、馬装などに関する詳しい情報が得られる貴重な遺物である。
騎馬人物が乗っている馬の胸と尻の上には、液体が注げる穴が空いているので、薬缶のような用途で使われたと思われる。
二つの土器を比べてみると、人物の服装、大きさ、馬装などに差があることから、二人の身分が違うことが分かる。主人と思われる人物は、装飾の施された三角の帽子と鎧を付けており、腰の左には刀を差した凛々しい姿で表現されている。馬装もすべて整えられている。とくに馬の額に角のようなものが付いていることから、儀礼用に特別製作されたものと考えられる。
下人と思われる人物はサントゥ(成人男性の髷)を結い、上着を着ていない。右手には鈴を持っていて主人の魂を案内しているように見え、風呂敷包みを背負っている。馬装も主人のものに比べ、簡素に表現されており、鐙(あぶみ)が省かれている。
人間、動物、物の形をかたどった象形土器は日常的に使われたものというより、祭祀のような儀礼用として、死者の安らかな眠りと死後の世界に対する願いが込められたものと考えられる。