- 年代
高麗
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材料
紙
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寸法
28.8x44.8cm
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指定文化財
272
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番号
贈 3452
契丹の侵攻を退けるために制作された初雕大蔵経の一部であり、『瑜伽師地論』の第32巻に当たる。『瑜伽師地論』は法相宗の学説の根拠となる経典であり、大乗仏教の完成期の思想を代表するもので、ヨガの修業で生じうる心の問題を扱っている。インドの弥勒が著したものを唐の玄奘(602-664)が翻訳し、『千字文』の順に整理した。全100巻の構成である。
高麗・顕宗2年(ヒョンジョン、1022)、契丹は親宋政策を取る高麗を屈服させようと開京に侵攻した。高麗は仏陀のご加護により国難を克服するために大蔵経の製作に踏み切り、宣宗4年(ソンジョン、1087)に完成した。初雕大蔵経は「はじめて刻んだ」という意味で名付けられたものである。仏教の教理を集大成した大蔵経の製作は単なる出版事業ではなく、大いなる功徳を積むという意味を持つ。
初雕大蔵経板は大邱の符仁寺に保管されていたが、1232年(高麗・高宗(コジョン)19)のモンゴルの侵略により焼失してしまった。現在まで伝わっている初雕大蔵経の印刷物は約2,600巻で、ほとんど日本の各地に散在しており、韓国内で確認された約200巻の初雕大蔵経はほとんど国宝、または宝物に指定されている。
初雕大蔵経は宋の大蔵経を範にしているが、さらに経典を加えている。我が国独自の板刻・印刷術が見られるという点において、重要な意味を持つ。
*筆写本
*ソン・ソンムン寄贈