青磁堆花蓮唐草文注子
- 年代
高麗
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材料
陶磁器 - 青磁
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番号
東垣 1257
『東垣李洪根蒐集名品選』陶磁編 図27
この水注と類似した形で承盤まで備えた高麗時代の金属製の水注が、アメリカのボストン美術館にあって、高麗青磁と金属器との関係をもう一度考えさせてくれる水注だ。この水注も本来は承盤があったものと推定される。
蓋は上下二段の蓮花座の上に鳳凰が座っている姿で、蓮弁には白泥を塗って強調した。胴には実際に竹を曲げて作ったように張りのある力が感じられる注口と把手がついている。
文様を見ると胴には白泥で蓮花唐草文を大きくすっきりと施し、輪郭線と細部の表現は陰刻で線を刻んで強調した。頸部には黒泥で縦條文を施し、下の部分は白泥で蓮弁文を廻らせた。また注口にも部分的に黒泥で線を入れて胴部中央の蓮花文を引き立てるようにした。釉薬は薄い灰青色を帯びたものをかけて、均等で細かくひび割れた貫入がある。高台は低く、内側を薄く削り、畳付の釉薬を拭き取って五個所に耐火土を敷いて焼き上げた。