粉青沙器彫花牡丹魚文缶
- 年代
朝鮮
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材料
陶磁器 - 粉青
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番号
東垣 201
『東垣李洪根蒐集名品選』陶磁編 図49
ジャングン(水・酒・醤油等を入れて運ぶときに用いる器)は、朝鮮時代の初期に粉青沙器や白磁で多く作られた器の種類の一つで、高麗時代や朝鮮時代中期以後の陶磁器には、その例を探すのは難しい。このジャングンは轆轤台を利用して円筒形に作った後、前後と左右をたたいて形を整えた。
口緑部を付けた後、畳付になるところの二個所に帯を付けて使いやすいように作った。
両端部から高台に至るまで刷毛目で白土を塗った後、文様を除いた素地の白土を掻き出す掻き落し技法と、描きたい文様を陰刻線で表現する彫花技法で両端の中央には花弁文を、その周囲には変形させた蓮弁文を装飾した。
下側には蓮弁文を廻らせて、口緑の左右には四枚の花弁を持つ牡丹花を一つずつ施した。主文様は一方の面に魚と牡丹葉を施し、反対側には牡丹葉のみ施しした。大部分掻き落し技法と彫花技法が使用された。
釉薬は灰青色を帯びたものがかけられてよく溶けた状態で、ところどころに均等に細かくひび割れた貫入が見られる。底は扁平で、縁に粗い砂が混ざった耐火土を敷いて焼き上げた。