粉青沙器剥地牡丹文鉄彩鼈瓶
  • 年代

    朝鮮

  • 材料

    陶磁器 - 粉青

  • 寸法

    高9.4㎝、胴 径24.1㎝、底径6.6㎝

  • 指定文化財

    260

  • 番号

    徳寿 6231

丸く平らな胴の片側の端に口縁が付いており、その姿はまるで鼈(すっぽん)のようになっているため、“すっぽん瓶”と呼ばれる粉青沙器の瓶である。高麗時代の青磁にはこのような形態の瓶は無く、粉青沙器と白磁には類似した形態の瓶が少なくないが、これほど洗練されてすらりとしている瓶はほとんどない。口に紐を結び、腰や馬の鞍につけ、携帯に便利なようにした旅行用の水瓶か酒瓶として使用されたものと思われる。文様の技法は、剥地文と言い、胴の胎に白土を被せて白化粧した後に、その上を竹べらのような櫛で掻き出して文様を描いた後、その文様以外は刀で掻き落としてしまい釉薬を被せ焼成したものである。この瓶は掻き出した上に鉄分が多い顔料を刷毛で塗って焼成した為、地の色が黒光りし、白黒の調和がいっそう品位を加えている。文様は満開の牡丹と葉を大胆、かつ簡略に表したもので、これは牡丹を半抽象的に変形させたようである。