金弘道筆 西園雅集図
  • 年代

    朝鮮

  • 材料

    糸織 - 絹

  • 寸法

    122.7x47.9

  • 番号

    徳寿 4057

 金弘道(1745~1806以後)は宮中に所属した画家である画員で、字は士能、号は檀園・丹邱・西湖、延豊県監を務めた。山水画はもちろん、人物、風俗、鳥獣、花鳥図など、あらゆる素材を得意とし、朝鮮後期を代表する巨匠である。
 この作品は檀園が34歳の1778年に、中国故事の西園雅集を内容として描いた6幅の屏風である。“西園雅集”とは、宋代の王晋卿が西園の築山で友の蘇東坡をはじめ、当時名声の高かった儒学者、僧侶、道士を招聘して催した宴のことであるが、この宴に参加した画家の李公麟がこれを描き「西園雅集図」といった。以後、様々な画家によって描かれ、韓国でも頻繁に扱われた故事人物図の素材の一つである。
 この屏風の構図は対角線に流れる渓谷と大門の間に雅集の場面を配置し、画面中央に中心を置いている。各人物は斜めの軸を基準に配置され、金弘道の基本的な構成には変わりない。松の木と岩壁の筆致は檀園が30代に確立した独特な表現法であり、建物および機具などは定規を使用し精密に描いたものである。おおむね筆線が明瞭、細密、華麗で、整った印象を与える。