青磁麒麟蓋香炉
  • 年代

    高麗

  • 材料

    陶磁器 - 青磁

  • 寸法

    全体 高17.6

  • 番号

    徳寿 3063

基本形態は彫刻装飾がなされた蓋と香を入れる胴部、そして、獣の姿を模った脚から構成されている。また、香を焚くと、その煙が動物の口から出るようになっている。高麗時代の青磁香炉を見るとその大部分には、蓋に多様な動物象が装飾されている。主に獅子、鴛鴦、鴨のような現実の動物と魚龍、亀龍のような想像上の動物が登場する。この香炉の場合、麒麟が表現されている。麒麟が座っており、頭は後ろを振り向き、口を開けている。頭には角、首と前足の脇にはたてがみと毛が装飾されており、普通の獣とは異なる神秘的な姿で表現されている。目には黒色の顔料で瞳を描き、生命感を加え、前胸や胴、そして曲がった膝の線が柔らかく、弾力があるように見える。『高麗図経』によれば、金属器として作られた獣模様の香炉は、宮闕の公式的な集会時に香を焚くために使用されたものと記録されているが、この青磁香炉の場合は、当時盛んだった仏教と関連して使用されたものと思われる。