白磁注子
  • 年代

  • 材料

    陶磁器 - 白磁

  • 寸法

    高16.4、口径5.6、胴直径11.5

  • 番号

    徳寿 992

白釉磁器は鉄分の含有率が1%以下で、澄んだ透明の釉薬を被せた後高温で焼成する。白磁制作の成功は陶磁器に色付けする彩色磁の基礎を築いた。白磁は特に北朝代に成功を収め河南安陽、北齊武平六年の範粹墓から出土した白磁がその例である。この磁器は淡い青色を帯びており、白釉のうちで鉄分の含有率が高い方であることが分かる。
隋代にはずいぶん発展した状態の白磁が生産され、産地は河北内丘一帯で、唐代には河北邢窯が生産した白磁が最高であった。宋代の白磁は、河北邢窯の定窯のものが代表的である。定窯の白釉には鉄分が0.96%含まれ、白色の中に象牙色が見られる。
この遺物は、盤口形の口を持ち、胴は円形に近い。肩と口縁の間に二つの耳が付いており、注口は胴に比べ長い方で、注口の下に縄を結んだような形の結繩文を三つの円形にして描き入れ、花が重なったように表現した。
把手は短い方で、胴は胡瓜形の形態に6条の線が廻らされている。底部には釉薬を施しておらず、玉璧底形である。釉薬は灰白色で丁寧に施されているが、表面の状態が良好ではない。