重要
半跏思惟像
- 年代
三国
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材料
金屬 - 金銅製
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寸法
高さ 83.2cm
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指定文化財
78
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番号
本館 2789
半跏思惟像は片足を他の片足のももの上に組んで座り、指を頬に当てて物思いにふけている姿が表現されたものをいう。これは人間の生老病死について悩み、瞑想にふける出家前の悉達多(シッダルタ)の姿に因るものである。中国では5~6世紀に主に制作され、わが国では三国時代の6~7世紀に大流行した。
国宝第78号の半跏思惟像は、頭上に華やかな宝冠をかぶっており、太陽と月の装飾が施されているため、「日月飾宝冠」と呼ばれる。このようなタイプの冠はササン朝ペルシアに由来している。シルクロードでアジアに伝播し、菩薩の冠として応用されたのである。
この仏像は全長83cmの巨大さを誇るが、素材の銅はわずか2~4mmの厚さで、当時の優れた鋳造技術を物語っている。微笑みの古拙な表現と半跏坐の自然な姿勢、体の各部の有機的な調和、布の裾と腰帯のダイナミックな表現など、国宝第83号の半跏思惟像とはまた異なる、洗練された様式が特徴である。