檜巖寺 普光殿 出土 琴鐸[風鈴]

「朝鮮国王」という字が刻まれた琴鐸[風鈴]:朝鮮王室の仏教後援 朝鮮王室から後援を受けた桧巌寺(フェアムサ)の普光殿に吊り下げられた、高さ31.7cmにもいたるとても大きな風鈴で、その大きさから桧巌寺の地位を推し量ることができます。この風鈴には134の文字が刻まれています。その文の中では風鈴のことを「琴鐸(クムタク)」と称していたため、この風鈴のことを琴鐸と呼びます。琴鐸の上部表面には、「王師妙厳尊者」、「朝鮮国王」、「王顕妃」、「世子」という文字が、縁には、朝鮮が万世に続くことを発願する内容と、寄進(奉加)を行った人物の名前が刻まれていることから、朝鮮王室と寺院の親密な関係を確認することができます。ここでの朝鮮国王とは太祖イ・ソンゲ(李成桂)、王顕妃は神徳王后、世子はイ・バンソク(李芳碩)を指しています。また、王師妙厳尊者とは、太祖李成桂を助け、鮮を建国した無学大師を指します。朝鮮は儒教国でしたが、僧侶を王の師匠に置く高麗の王師制度は維持され、王室が仏教関連活動を継続していたことが分かる資料です。琴鐸の縁に刻まれた文章の内容:
天宝山にある桧巌寺(フェアムサ)普光殿の四隅は、華やかな金壁で飾られ、天宮より素晴らしい。琴鐸を吊り下げ、すべての仏様に供養せよ。我々がこの神妙で美しい起源を崇拝し、朝鮮の国号が万代に続くことを祈る。

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