太子寺朗空大師碑

太子寺朗空大師碑
新羅末の国師であった禅僧の朗空大師・行寂(832~916)を称える石碑で、塔と石碑は高麗光宗5年(954)に建てられました。石碑の前面には朗空大師の生涯と業績が記されており、裏面には僧侶の純白による後記が刻まれています。
文章は崔致遠の弟の崔仁渷が作成し、書は朗空大師の弟子で高麗の僧侶である端目が、新羅第一の名筆と評される金生の行書を集字しました。力強く闊達な筆致と清らかな気韻には、中国の王羲之や顔真卿などのような8~9世紀当時の書道の傾向が表われています。韓国の書道において「神品四賢」と呼ばれる書家の一人、金生は「海東の書聖」「新羅の王羲之」と仰がれた名筆で、後代に大きな影響を及ぼしました。今日、金生の書は伝わっているものがほとんどないため、極めて重要な資料と評価されています。

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