長門澤瀉唐草蒔繪女乘物

黒漆を塗り、金粉をまく蒔絵技法で沢瀉と蔓の文様が施された女乗物である。沢瀉の文様は、今の日本広島市を根拠地とする大名毛利家の象徴であることから、その家の女性が利用したものと見られる。このように蒔絵技法を用いて家門の象徴と蔓文様を描いた女乗物は、上流階級の武士だけが利用することができた。女乗物の内側は、金色の素地に華やかに色を塗った花と鳥の絵で飾られている。

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