十二天
白い水しぶきが舞い上がる水の上にそびえたつ岩に、毛糸で織った敷物 (氍毹座:くゆざ)を設け、十二天を祀った12幅の仏画である。十二天とは、灌頂(かんじょう)などの密教儀式において、八方位と天と地、そして昼と夜の時空間を守る守護神である。現在、この絵は額に表具されているが、近代以前まで京都の青蓮院に掛け軸の形で伝えられました。濃い彩色と明確な筆づかい、はっきりした事物の描写など、鎌倉時代後期の仏画の特徴をよく表しているこの絵は、遅くとも13世紀後半に作られたものと思われる。
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