文殊菩薩

パーラ時代の彫刻像の多くは、青銅や石製でした。石像は、ビハールやベンガル地域で採れる灰色や黒の石で製作され、碑像形式のものが多くみられます。同作品は、知恵を象徴する文殊菩薩です。文殊菩薩は、片足を下ろした遊戯座の姿勢で獅子の上に座り、説法印を結んでいます。左腕に挟まれた蓮華が伸び上がり、花の上には智慧を象徴する経典が置かれています。両脇には菩薩が、そして上部には五人の小仏が彫刻されています。基壇の中心には象の頭が、横面にはひざまずいた信徒の姿が表現されています。

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