2024年は朝鮮第21代国王・英祖の即位から300年にあたる年です。特別展「蕩蕩平平~文章と絵の力」は、英祖と正祖が国の中心に立って「蕩平の国」をつくるために「文章と絵の力」をどのように活用したのかに注目する展示です。蕩平とは、どちらにも偏ることなく公平であることを意味します。朋党(政治的党派)の争いが激しく、臣下が王を擁立するほど王権が揺らいでいた状況で、英祖は蕩平の道を目指して「文章」によって進むべき方向を示しました。人材を公平に登用し、王道を立て直すことで蕩平を実現する為に、文章と絵でコミュニケーションを図ったのです。その後、次に王となった正祖は英祖の蕩平策を継承する一方、奎章閣を設置して親衛勢力を養成するなど緻密に国政を司りました。英祖と正祖が自らの考えを伝えるために文章と絵で「コミュニケーション」したように、展示も「コミュニケーション」の産物です。韓国の人々にとっておなじみの英祖と正祖の知られざる物語へみなさんをご招待します。
○ 代表的な展示品
崔得賢、金得臣など、<華城園幸図八曲屏風>、1795年、国立中央博物館所蔵(徳寿1042)
作者不詳、<陳賀図>、1783年、国立中央博物館所蔵(本館8221)
金斗樑、<犬図>、1743年、個人所蔵
正祖、<御筆>、1798年、国立中央博物館所蔵(徳寿2736)*宝物
伝 秦再奚、<朴文秀奮武功臣像>、1728年、個人所蔵(天安博物館保管)*宝物
作者不詳、《戊申親政契帖》、1728年、国立中央博物館所蔵(本館7865)
英祖、『御製大訓』、1742年、国立中央博物館所蔵、2021年李健熙寄贈(健熙8715)
金弘道、<朱夫子詩意図八曲屏風>、1799年、個人所蔵