国立中央博物館では18回目の掛仏展として「仏の庭─青陽長谷寺掛仏」を開催します。
掛仏とは、お釈迦様の誕生日などの儀式を行う際に寺の庭に掛ける巨大な仏画で、普段は見る機会の少ない貴重なものです。
国宝「青陽長谷寺掛仏」は、1673年(顕宗14)に長谷寺大雄殿の庭で開かれた霊山大会に際して制作されたという記録が残っています。釈迦が説法を行う霊山会に菩薩や天人たちが集まったように、掛仏が掛けられた大雄殿の庭には大勢の人々が集まったことでしょう。清らかで正しい教えを求めて人々が集まる場所……そこはまさに“仏の庭”です。
掛仏さえあれば、寺でなくとも、どこでも仏が説法する浄土になります。博物館に広がる仏の庭で、心安らかなひとときをお過ごしください。