国立中央博物館は2024年「甲辰(きのえたつ)」の年を迎え、常設展示館のあちこちで「龍」が表現されている展示品15件を紹介します。龍は十二支のうち唯一の想像上の動物で、ラクダの頭に鹿の角、ウサギの目、牛の耳、ヘビの首、カエルの腹、鯉の鱗、鷹の爪、虎の足を持つとされています。このように超現実的な存在である龍は、強力な力を持つとされたため、王室では帝王の象徴、仏教では仏法や国の守護者、そして民間信仰では水を司り、災いを払い、五福をもたらす動物と考えられてきました。寺院の煉瓦、絵画、香炉などにあらわされた様々な姿の龍に出会い、そこに込められた物語に耳を傾けてみてください。