- Date2012-10-26
- Hit 3992
企画展 「天下第一、翡色青磁」
「美しいブルー、高麗青磁」に出会う」
○ 会場:国立中央博物館・企画展示室
○出品作:国宝第60号「青磁獅子装飾香炉」など国内外の青磁およそ350点
国立中央博物館(館長・金英那<キム・ヨンナ>)は10月16日(火)から12月16日(日)まで、2012年企画特別展「天下一の翡翠色の青磁」を開催する。国立中央博物館では1989年に特別展「高麗青磁名品」を開いたことがあり、それ以来20年ぶりの高麗青磁特別展「天下第一の翡色青磁」を披露する。
1990年代以降、陶磁研究は目覚しく発展したが、今回の特別展はその成果に基づいている。 企画特別展「天下第一、翡色青磁」を通じて、高麗青磁の誕生、象嵌技法の始まりとその流行、干支銘象嵌青磁など、 主な研究争点となっているその成果について展示し、高麗青磁の流れが一覧できるように構成されている。さらに、高麗社会における青磁という工芸品としての役割、生産と流通、同時代の漆器や金属器との関係に迫ります。
出品作は完成形の青磁だけでおよそ350点にのぼり、国立中央博物館をはじめとする国内外収蔵の重要な青磁を厳選し、最上の作品を展示するという、青磁関連では歴代最大規模の展覧会である。また、指定文化財の出品は類例のないことであるが、国宝18点、宝物11点の計29点が展示される。さらに日本の重要文化財2点も加わり、そうすると合計31点に至る。これは、最上級の青磁が一堂に会したと言わざるを得ない。
展覧会のタイトルである「天下第一、翡色青磁」は、宋代太平老人の著書とされる『袖中錦』の中に「天下第一条」の「高麗翡色」を選んだところからの引用である。高麗青磁が宋の青磁を凌ぎ、「天下第一」のものに選ばれたということは、当時、高麗青磁が国際的にどのような地位にあったかを物語っている。また、宣和5年(1123)、高麗に派遣された宋の使臣である徐兢(1091〜1153)は『宣和奉使高麗図経』の中で、「陶器の青色を高麗の人々は翡色と呼ぶ(陶器色之青者麗人為之翡色)」と記していることから、「翡色(翡翠色)」は当時、高麗人が青磁の色を表す独自の表現だったことが分かる。これらは高麗青磁の美しさとその高い完成度を示す史料といえる。
本展はすべて4部によって構成されている。従来の編年順の展示方法から脱皮し、高麗青磁を総合的に眺望するため、編年・用途・象嵌・名品の四つの区域に分かれている。つまり、どのセクションても様々な側面から青磁が理解できるができるように配置してある。単なる作品の羅列ではなく、青磁が立体的に把握できる、個性的で時代を先駆けた展示になるよう努めている。
- File