源氏物語畫帖
「源氏物語」は、11世紀の初めに創作された日本の古典文学の最高傑作であり、平安時代(794~1192)、政治と文化の中心であった貴族たちの華麗で優雅な宮廷生活を描写した長編小説である。主人公の光源氏の波乱万丈な恋愛と立身陽明のストーリが54帖にわたって描かれている。「源氏物語」は、創作された平安時代から江戸時代に至るまで、帖·絵巻·屏風·扇面など様々な形式の絵で描かれ、鑑賞された。それらの絵は「源氏絵」と呼ばれる。
この画帖は、小説「源氏物語」の54帖から一つずつ選び、その内容を記したうえ、絵を描いて完成させたものである。京都宮廷で絵画を担った画家集団である土佐派の作品で、人物の服飾と風景を細密に描写したのが特徴である。