重要
創造の神、伏羲と女娲
  • 材料

    糸織 - 麻

  • 寸法

    189.0x79.0cm

  • 番号

    本館 4027

トルファン地域のアスタナ墓から出土した。中国の天地創造神話に登場する伏羲と女娲が素材となっている。トルファン地域は古くから漢族の文化が伝わったので、ここから出土した遺物の中には中国由来の素材や特徴が見られるものが多い。

絵の中央に二人の神が向かい合って立っており、左が女娲、右が伏羲である。二人の神はそれぞれ円規と曲尺を手に持っている。これは丸い天と四角い地という中国の伝統的な宇宙観を示している。上半身は人間、下半身は蛇のような形をしており、互いにねじれている。

絵の隅には小さい穴がいくつもあるが、天井に絵を掛けるために釘を打った跡だと思われる。神像は濃い墨線で輪郭が描かれ、青と赤の顔料を分厚く塗って完成している。背景には太陽、月、星座が描かれており、一つの小宇宙を再現している。

細部まで描きこまれているとは言えないが、鮮やかな色彩、バランスの取れた構図などが注目を集めている。