祭祀に関する文
  • 年代

    朝鮮

  • 材料

    糸織 - 絹

  • 作家

    姜世晃(1712∼1791)

  • 寸法

    118.2x51.2

  • 番号

    徳寿 3319

詩、書、絵画のすべてに秀でた詩書画三絶であり、批評家であった豹庵姜世晃の老年の作品である。各経典から要約した祭祀に関する文章を四幅に書いており、祭祀の意義、儀式過程、姿勢などがその内容である。
 姜世晃の書は絵の中の画題や詩文などで、親しまれている。書跡では行草書を多く残し、このような楷書の作品もある。姜世晃の書風は書体が多少細長く、柔軟だが鋭さが込められている。
清の乾隆帝が“北宋の米芾(1051∼1107)に劣るが、明の董其昌(1555∼1636)よりは良い”と評価しているが、姜世晃は米芾・董其昌の書体の影響を受けていたため、米芾の書風と類似した形態が多く見られ、朝鮮時代の書家である尹淳(1680∼1741)の書風とも類似している。
秋史金正喜(1786∼1856)は姜世晃の書風が唐初期の書家である褚遂良から出発したと言っているが、これは特に楷書体をその基準として評したのである。この作品でも書体と筆の運びなどから褚遂良の書風の特徴を時折、窺う事ができる。